あと5分の砂時計

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俺には気になる女子がいる。 好きとかそういうのじゃ無いけど。 まぁ、付き合って欲しいと言われたら、付き合ってあげても良いぐらいには可愛い。 「医大生」という言葉に誘われて、ゴテゴテに装備してくる女子たちを見ていたら、長い黒髪を1つに結び前髪をピンで留めた姿が、着飾っていない素朴な女子感を漂わせていてそそられるとも言える。 「おい、隼人(ハヤト)。また長谷部(ハセベ)のこと見てんの?」 「本当、隼人って長谷部さんの事好きだよねー」 実験の授業中。 友人の慶次(ケイジ)と、たぶん俺か慶次の事が好きな菜穂(ナホ)が声を掛けてくる。 「だってさ、見てみろよ。アイツ、また砂時計を使ってる」 俺が長谷部を気にする理由。 それは彼女が常に持ち歩いているらしい砂時計が原因だ。 彼女はほとんどいつも図書室にいるが、その机には砂時計が置かれている。 今日の実験では、実験の邪魔にならないようにするためか、椅子に置いてコソコソと使っているようだ。 「別に、砂時計使ってるぐらい、どうでもいいんじゃない?」 「俺が砂時計気にしてる事ぐらい、お前にとってもどうでもいいんじゃないか?」
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