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 「ああもう、しつけえな! 何の用だ!」  これはぶち切れてもいいだろう。  チーム・ムーンブラスターの皆と午前二時までFPS(ファーストパーソンシューター)ゲーム、「レストレス・ドリーム」を遊んでいたのはいいが、今は朝六時、つまり俺は四時間しか眠っていない。  そこへスマホが四回も鳴り、五回めでキレて俺は電話に出た。  「あ、連絡がとれた、よかったよかった」  と、同じ大学仲間の笹原が勝手に何か決めているようだった。笹原の後ろでがやがや騒ぐ声が聞こえる。しかもテンション高めだ。こんな時間だというのに。  いやな予感しかしなかった。  「──誠、いや小田桐さんと呼ばせていただきたい、今日(きょう)は──」  「断る。おやすみ」  「いやいやいやいや、話を聞いてくれよ本当に。時間もないんだし、とりあえず、今日一日だけでいいからサバイバル・ゲームの助っ人お願いしたいんだ」  俺は通話を切った。  ──笹原は即座にかけ直してくる。
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