彼女の戦い方

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 少女は間違ったことを宣いながらドヤ顔でバットを持ち上げ、その先をクリュサオラに向ける。  クリュサオラが顔を強張らせる。  波に揺られる海藻のように揺れ動いていた金色の頭髪が真っ直ぐに張り詰める。  おいおい。雄弁だのなんだの言っておきながらまさか普通にバットで殴るつもりなのか!?……まあ確かに、そっちの方が効き目は抜群だと思うが。  さてどうでるか。と固唾を飲んで見守る中。  少女はクリュサオラに突きつけていたバットの先を下ろすと、大きく息を吸い込み、言い放った。 「It’s nice weather today (訳:今日は良い天気ですね).」  コミュ障かっ!?  ってかなんで英語で話しかけた!?  まさか見た目が白人だから!? クリュサオラの見た目が白人だからか!? 「え? 今何ておっしゃられましたの?」  いきなり英語で話しかけられたクリュサオラが、未知の単語を耳にした幼子のようなきょとんとした表情で首を傾げる。  こいつもしや、英語をご存じない……? 「『E? Imanante O’shalale Machitano?』……? くっ、わからないっ! T〇EIC100点の私も知らない英語があるだなんてっ」 「それ普通に日本語だから! そもそもなんでその点数をさも自慢げに掲げられるんだ!?」  めちゃくちゃ悔しそうな顔で地団駄踏んでるけど、そもそもT〇EIC100点って百点満点中十点程度なんだが!? 日常会話どころか中学一年生レベルの英語が危ういレベルの英語力だと思うんだが!?
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