最後の5分くらい一緒にいたかっただけなの

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 大量に流れる彼の血は病室の床をどす黒く染め、池のように深く溜まる。悲鳴に包まれ、彼の脚はわたしと同じようにグニャグニャに折れ曲がりながら、血の池に飲み込まれて…    消えた。  血の池ごと、病院の床に消えてなくなった。  阿鼻叫喚の中、残されたわたしの残滓()は、最後に安堵の想いを口にする。 「ヤット、イッショ…ニナレルネ…エ?オクサ…ンモ、ツレテイクノ?アハハ、イイヨ…」
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