凶星交わるとき

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 かつて世界のすべてであった〈偉大な原初〉――  その巨大な存在が分解したことで[海]と[大地]、[空]と[星]、そして数多の[神々]となった――  やがて時が過ぎ、大地に人間と妖精が生まれ、彼等により築かれた偉大な〈魔導文明〉が栄え、そして滅び、荒々しい[剣]の時代となった現在―――  何時の頃からか〈冒険者〉を自称する、所謂[何でも屋]が現れた。  彼らは時に遺跡を探索して財宝を持ち帰り、時に世間を跋扈する怪物や悪党を退治して賞金を得て、そして時には自らが悪となり、略奪する――  そして今此処に、破壊神復活を阻止するべく、立ち上がった駆け出し冒険者がいた。  半甲冑を身に着けた戦士――  ツノ付き兜を被るドワーフ――  ポンチョに身を包む呪術師――  モーニングスターを構える女神官――  子供にしか見えない盗賊少女――    彼ら5人はパーティ名を〈シーカーズ(探す者たち)〉と云った――  これは、彼らシーカーズが後の世、一廉の英雄としてこの地に名を馳せていくかどうかわからないが、少なくともその第一歩を踏み出そうとする物語である。  筈である――
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