事件は突然訪れる

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「冒険者とお見受けしました……どうか、私の話を聞いて下さい!」  女性はルーナと名乗った。  何でも、この近くにある[遺跡]の傍に暮らす賢者フーロイの弟子とのことである。  老齢の賢者フーロイは、その遺跡に封じられているという古き神を研究していたのだが、その中で発見した古い日記に依れば、その恐るべき破滅の神が今夜にも復活してしまうとのことだ。 「日記には、『天空に[死]と[滅]の二つの星が交わるとき、儀式を行なうことで〈ゲン・マー〉は棺の中から目覚める』とあるのです……」 「じゃあ、星が交わっても儀式をやらなければ復活しないんじゃあ……」  事情を話したルーナにアイラ突っ込むものの…… 「ところが先程、その〈ゲン・マーの使徒〉を名乗る輩が現われ、日記を奪い、遺跡の中に入っていったのです……」  青ざめた顔で告げるルーナ……
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