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いままでしてたセックスはなんだったんだ、ってくらいに体の中の重苦しい痛みが吹き飛んでしまった。
「智、女の子抱いたことあるんだね。知らなかった」
さっきの質問に答えてはもらえなかったので、違う言葉を投げかける。智の背中が、少し戸惑ったように見えた。
「……告白されて、断らずにいたら自然とこういうことにはなるから」
少しばつが悪そうに、智は小さく答えた。
「たしかに。つき合おうって、そういうことだもんね。相性よかったら寝ようね、みたいな」
「女のくせにそういう言いかたするか」
「女も男も関係ないよ。神様は、人間を好きな人としかできないように作ってくれたらよかったのに」
「それでも不倫や浮気はなくならないと思うけど」
不満そうな智の声。その言葉で、快楽ですっきりしたアタシの頭はようやく気づいた。
「そっか、当たるってそういう……」
「いちいち言葉にするな。またハラ立ってくるから」
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