やさしくなりたい

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  「乙音には関係ないよ。俺もおまえも、あの夜を引きずるのは今日で終わり」  ずっと大人の人がするような言い回しで、智は声のないため息を漏らす。  その呆れた態度が雑で、やっぱりほっとした。  アタシは彼を特別に好きだと思ったことなど、一度もなかった。  智とアタシは、それでいいのだ。 .
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