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休暇0日目
19の春、小娘は都会に憧れて地元を飛び出した。10年が経ち、小娘だった円(まどか)はいつのまにやら29歳という"小娘"と称するには少々イタい年齢になっていた。
彼氏や特別仲の良い友人もいなく、残業だらけで低賃金なパソコンと向き合うだけの事務仕事、自分がいなくても滞りなく流れるであろう世界に孤独を感じる日々だった。
段々自分が無機質なビル街の一部に取り込まれてゆくような言いようもない不安に駆られ、円は1週間分有給を消化して帰省する事にした。
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