居酒屋まるの院長先生ご乱心

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迷いのない線でぐいぐい描いていく。 黒いクレヨンで輪郭を描き、それからピンク・・・ピンク!? スーツを来た中年男性風のアマビエのどこにピンクが? その後も、赤、青、黄色、紫とカラフルになっていく紙。 「ふうむ。これはまた前衛的な。」 「童の絵は自由でええのう。薄汚れた高齢のどこぞの妖怪とは大違いで。」 「ああん、まりちゃんの迷いのないクレヨン運び、絶妙に可愛いわあ。ついでにそのクレヨンでそこの石を塗りつぶしちゃえばもうちょっと見られるようになるわあ。」 「私が泉実を描いたものに比べればまだまだ。」 四者四様の感想だが、納得できる意見はタカさんくらいだと思う。 お地蔵さん、自由でいいというところで口を閉じていてくれればいいのに、そのあとがよろしくない。 華原さん、まりちゃんがあちこちに落書きする子になると困るんで、不用意な発言は避けてください。 そしてミハイさん、あのなすびのような俺の絵とまりちゃんの絵を比較するな、てか、どこをどう比較したのか説明してみろ。
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