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何だか凄い効果を発揮しそうなまりちゃんの絵。
俺はそれを受け取って、店の壁に貼った。
四方の天井近くに御札が貼ってあるわ、メニューに混じって壁にまりちゃんの絵が貼ってあるわで、小さな俺の店内はインテリアだの雰囲気だのを追求できるような状態ではますますなくなってきた。
その後、まりちゃんはリクエスト通り華原さんと思われる何かを描き殴り(たぶん華原さんだと思うんだ、やはり線が入り組んでいる複雑な絵だけれど)、感極まった華原さんが家宝にするわあ!と叫んで絵を抱きしめていた。
「いい子ね、まりちゃん。泉実ちゃんは代金も御礼も受け取ってくれないから、年に一度の人間ドック10年間無料にしてあげちゃう。」
「え、いや、大丈夫ですよ。そんなことしていただかなくても。」
確かに検診は華原さんの病院を使わせてもらっているが。
てか、他の病院に行くときっと華原さんの機嫌を損ねるだろうし。
「泉実ちゃんの健康を守るということは、このお店とまりちゃんを守るってことですもの。私にしか出来ないじゃなあい?こんなぼんくら後継者と自分のしまだと言う割にはお供えを恐喝してくるだけでちっとも役に立たない道端の石っころに任せられないわあ!」
「ぼんくらとは誰のことだ!!小娘の絵を提案したのは私ではないか!感謝をもって日頃の態度を改めてもよいくらいだぞ!!」
「恐喝てなんじゃい!全部店主の善意じゃい!」
女性の血液とまりちゃんの絵で元気になりすぎた華原さん、絶好調ならぬ舌好調。
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