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そうこうしているうちに、お地蔵さんがごとんと動く。
「よっしゃ。これで店主の悩みも解消できたし、今後店主が流行病にかかることはなさそうだし、十分じゃろ。」
そろそろ行くぞと、アマビエに声をかける。
お地蔵さんに出した塩むすびも浄水も、いつの間にかすっかりなくなっていた。
「お地蔵さん。わざわざアマ本さんを連れてきてくださり、ありがとうございました。」
俺はカウンターから出て頭を下げた。
華原さんが凄く疲れていて調子がよくないからと相談しに行ったら、お地蔵さんはアマビエを連れてきてくれたんだ。
どうしてアマビエがお地蔵さんのところに来たのか謎だけど。
「いやぁ、あちこちで疫病予防感染対策を呼びかけてたまたまこちらの地域にお邪魔したので地蔵菩薩様にご挨拶しにうかがったら、こちらに連れてきてやると寛大な申し出をいただき、本当に光栄でした。」
ちなみに疫病予防にあちこちで絵姿を描かせていたんですかと尋ねたところ。
「いきなり私を描きなさいというのもどうかと思いましてね。手洗いうがいマスクの着用の推進を路上で訴えてました。」
わあ、すごく真っ当!
「職場でも訴えてまして、私、保健委員会の担当なんですよ、養護教諭の先生と一緒に。」
そうだった、中学校の先生だった、3年ピー組金ビエ先生だった。
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