居酒屋まるの院長先生ご乱心

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改めてアマビエにリクエストを聞く。 「そうですなあ。ではここは一つ、故郷の味を人間流のアレンジで。」 故郷というと? 「思い出しましょう。あなたは学んでいます。いいですかぁ?何でも人に聞いてすまそうとするのを横着と言います。」 急に教師に戻らないでもらいたい。 こっちは居酒屋の店主として料理の好みを聞いているだけなのに。 「高御産巣日神様の言葉を思い出しましょう。」 タカさんの言葉というと。 アマビエの別名はアマビコだとか、天日子や海彦とも・・・ああ。 「海産物ということでよろしいですか。」 「素晴らしい!ご店主。人はいくつになっても学ぶことが出来るのです。あなたは非常に賢い!」 メニューを決めるだけのやりとりがもう面倒くさい。 「ええと、それで海産物と言ってもいろいろありますが、魚でよろしいでしょうか。それとも・・・」 魚であれば、珠美さん用に常に新鮮なものを買い求めている。 ただ、イレギュラーなものを注文されるとなあ。
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