居酒屋まるの院長先生ご乱心

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そんな俺の心の声を読んだのかどうか、アマビエからリクエストが来た。 「では、私の名にちなんで。」 あー。 「もしかして、甘エビですか。」 「はい、正解!お店にあればさらに今学期の成績表、期待大!」 ちょくちょく余計な金ビエ先生になるアマビエ。 そうか、甘エビか。 南蛮エビとも呼ばれる甘エビは、本来はホッコクアカエビという。 寿司ネタとしても有名だし、刺身としても提供される。 そう考えると生で出すのもいいが、店に置いてあるのは冷凍もの。 ならば好きに料理をさせてもらおう。 タカさんにももう一品出したいしな。 俺は華原さんのことを時々見ていてあげてくださいとお願いし、調理にかかった。 まずは冷凍甘エビの解凍から。 流水で解凍した甘エビの半分の頭と尾と殻を剥く。 それをボウルに入れ、枝豆と大きくざっくり刻んだ大葉を加え、さっと小麦粉を振る。 それを小麦粉に片栗粉を混ぜ、冷水で溶いた液に浸し、適度な大きさで揚げる。 皿に盛り付けてつゆと大根おろしを添えて、アマビエに前に出した。 「お待たせしました。甘エビと枝豆のかき揚げです。」
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