居酒屋まるの院長先生ご乱心

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ミハイさんの提案に、全員絶句。 い、いや、確かにまりちゃんには俺がクレヨンやスケッチブックを与えて好きにお絵かきしていいよと言っていたが。 何故知っている、ミハイさん。 「一度おまえが見せてくれただろうが。私や野良猫や駄犬に。わけのわからんぐちゃぐちゃな線のものを、そこの小娘が自分を描いてくれた絵だと自慢して。」 そう言われると、そんなこともあったような。 何だか俺が親馬鹿丸出しだったみたいで、恥ずかしい。 「やだ!あんた、どうしてそんな天啓のような名案を!」 華原さんが絶叫してミハイさんの背中をばしっと叩く。 何だかボキッと音がしたんだが、折れてないよな、背骨。 「まりちゃん!そこの冴えないおじさんの絵を描いてちょうだい!お姉さん、それを1枚1000万円で買うわあ!そして寝室に飾るからあ!」 待て待て待て、俺用じゃないのか、まりちゃんの絵。 あと、子供がクレヨンで描いた絵にどんな金額をつけているんだ、その本気度が怖いぞ、華原さん。 「おまえ、どうしたんじゃ。まともなことを言いおって。頭がカラノ病か。」 「いや、いい案だが・・・座敷童。おまえ、描いてみるか?」 タカさんに尋ねられ、まりちゃんは口の端に米粒をつけたままアマビエをじっと見つめた。
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