手作り雑貨ゆうつづ堂-白水晶の思い出-

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手作り雑貨ゆうつづ堂-白水晶の思い出-

私のおばあちゃんはきっと、魔法使いだ。 「運っていうものは、まるで神様が始めに決めてしまったもののようだけどね。実はそんなことないの」  夕暮れ時、西の空が群青色に染まる頃。おばあちゃんは、めそめそ泣いていた私に、ゆっくりと語った。 「案外、自分で変えられちゃうものなのよ」  チャリ、と涼やかな音と共に、左の手のひらに冷たいものが触れる。私は顔を覆っていた反対の手を浮かせ、自身の手の中に目をやった。  手のひらの真ん中に、白い水晶のイヤーカフが載っている。石の下から垂れ下がる金色の猫型のチャームが、微かに振れる。  涙に濡れた目をぱちくりとさせていると、おばあちゃんの優しい声が降ってきた。 「それはね、幸運の石でできたイヤーカフよ。このイヤーカフは詩乃(しの)ちゃんのことを守ってくれるから、大切にしてね」  おばあちゃんがそっと私の手からイヤーカフを取った。そしてその手を私の顔の横に持っていき、そっと左の耳につける。頬に触れたおばあちゃんの手が、温かくて優しい。
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