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【Side:春川萌々】
隆ちゃんから〝まきまきの公園までちょっと出てこられるか?〟と連絡をもらった時、私の心臓は信じられないぐらいドキドキと跳ねた。
物心ついた時から少し年上の意地悪な幼なじみの隆ちゃんのことが大好きだという自覚はあった。
けれど、幼い頃みたいに頻繁に会えなくなった途端その想いはどんどん強くなって。
離れたら気持ちも離れちゃうと思っていたのに、実際はそんなことないんだなって思ったの。
会えない分、会えた時の振り幅が半端ないし、会えると思った時の喜びがすごく大きい。
隆ちゃんが私のことなんて何とも思っていないことは薄々感じていたけれど、それでも男と女だもん。
絶対無理なんて言い切れないじゃない?とも思っていて。
そんな私だから。
今日約束をしていたみんなには申し訳ないけれど、隆ちゃんからの呼び出しとなると、何を差し置いてもそっちを優先したくなってしまった。
だって……隆ちゃんからのお誘いなんてもう2度とないかもしれないんだもの。
そう思ったら、居ても立ってもいられなくなったの。
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