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精算を済ませて買い物かごからマイバッグに移した時には確かにあったの。
帰宅後すぐに食べられるように一番上に来るように袋の中に入れたの、覚えてるからそれは確かなはずで。
それがなかったということは、隆ちゃんとあれこれあった時に慌てて落っことしてしまったのかな?って残念に感じたのを思い出した。
あれ、もしかして隆ちゃんが拾ってくれてたのかも?
ひょっとして今日はそのパンのことで呼び出された……?
あれから数日経っているし、まさか今更それを返したいって話ではないと思うけれど……何だろう?
まさか代わりのパンを用意してくれた、とか?
食べ損ねたあのパンは大好物だったからちょっぴりその後の行方が気になっていたりもして、そうなると聞かずにはいられなかった。
「あのっ、もしかしていちご風味のメロンパンのこと……?」
言ってしまってから、隆ちゃんにキョトンとされて、「しまった!」って思ったけれど、一度口に出した言葉は取り消せない。
「もしかして……違っ、た?」
それでも言ってしまった以上引き下がれなくて、さらに深く深く墓穴を掘るみたいにそう付け加えたら、
「それはお前……私のパンを返せって言ってんのか?」
って聞かれてしまった。
いや、そういうわけではなくっ。
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