15.いちごとメロンと好きな人

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 今ほど彼の登場に救われたことはないかもしれない。 「、遅いよ」  私同様、重苦しい空気に困惑していたのかもしれない。  柚弦(ゆづる)くんが少しホッとしたようにそう言って、楓馬(ふうま)くんを小突いて――。  それを見て、私は「あ」って思った。  柚弦くん、4人の中で下の名前呼んでるの、楓馬くんのことじゃない?  え? でも……そんな。  そこで、さっき柚弦くんに告げられた、「僕の好きな人が……にいるとしても?」という言葉を思い出した私は、心臓がバクバクしてきてしまった。  4人って聞いて、私、当てはまる人、萌々(もも)ちゃんしかいないじゃんって思ったけど……もしかしたら違うのかも。  窺うように2人を見たら、楓馬くんに「ん?」って顔をされて。 「あれ? 萌々ちゃんもまだなの?」  ってキョトンとされた。
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