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【Side:春川萌々】
柚弦くんに、えっちゃんの勘違いについて話すのを、私は少し躊躇った。
自分に置き換えて考えてみて、例えば私が好きな人を同性の子だと思われていたって言われたらどうかなって思ってしまって。
「林田さん、何を勘違いしてるの?」
再度促されるように柚弦くんからそう問いかけられて、私は覚悟を決める。
「柚弦くん、この4人の中に好きな人がいるって彼女に言ったん、だよ、ね?」
4人のなか、と言っても本人は除くから、厳密に言うと対象者は3人。
柚弦くんがえっちゃんの気持ちをお断りした後だと考えたら、性別から考えても女である私に行き着くのが普通なんだけど。
「柚弦くんってその……楓馬くんのことだけ下の名前で呼んでるでしょう? それで」
みんなで一緒に遊ぶようになって、各々下の名前でお互いを呼び合うようになって。
なのに柚弦くんだけは何故か頑なに私のこともえっちゃんのことも名字で呼んでいた。
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