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それから私と柚弦くんをじっと見つめてから、かしこまったみたいに背筋を伸ばして言うの。
「おめでとう、柚弦くん、萌々ちゃん。私、ちゃんと2人を応援する……から」
今にも泣きそうな顔でそんな風に言われたら私っ。
「えっちゃ……」
言いながら柚弦くんの腕を振りほどいてえっちゃんに手を伸ばそうとしたら、それより先に楓馬くんが動いた。
「きょ、今日はもう! ここで解散にしない? 俺、えっちゃんを送っていくから……。柚弦は萌々ちゃんと、な?」
言うなり呆然と立ち尽くしたままのえっちゃんの手を引いて、楓馬くんがズンズン歩き出してしまう。
私は伸ばしかけた手をギュッと握って、そんな2人を見送って。
2人の姿が夜の闇にぼんやり霞んで見えなくなった頃、すぐ頭上から柚弦くんの声がかかった。
「ねぇ萌々ちゃん、もう少しだけ。――君の時間、もらってもいい?」
…To Be Continued…
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