05.私の友達

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 私、今日は2人と一緒に登校したんだった!  恐る恐る神木(かみき)くんの背後を見ると、王子――じゃなくて久遠寺(くおんじ)くんが眩しすぎるぐらい眩しいキラッキラの笑顔で私たちを見つめている。  神木くんみたいに何か言ってくれないのが逆に、その笑顔とは裏腹、めちゃくちゃ呆れられている証拠な気がして。  私は一気に赤面してしまう。 「あ、あのっ。久遠寺くん! で、電車ではありがとう! あ、あと……か、神木くんもっ! 今日は沢山話しかけてくれてありがとう。わ、私っ、ここからはえっちゃんと行くね」  耳まで熱くなっているのを感じながら、神木くんを睨んでいるえっちゃんの腕をぐいぐい引っ張って「さよなら!」と振り返りもせず捨て台詞を残して歩き出す。  本当は脱兎のごとく走り去りたいのをグッと堪えて早歩き。 「ちょ、萌々(もも)ちゃん、痛い、痛いっ」  数メートル行って、えっちゃんからのその声に慌てて手を離したら、 「萌々ちゃんってばまるでちっさなイノシシみたいだよ? そんな急がなくてもっ。――それに私、神木くんに悦子って言わないでって言いそびれちゃったじゃない」  えっちゃんがそう言ってプッと唇を尖らせた。  それに「ごめん」とつぶやきながら……。またしてもイノシシに例えられてしまった!と溜め息を落とす。  いや、でも……(りゅう)ちゃんのは〝赤ちゃん猪(うりぼう)〟だっただけマシなのかも? 「そもそも久遠寺くんも神木くんも同じ学部だよ? わざわざあそこで別れなくても、そのまま一緒に歩いたんでよかったじゃない」
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