06.アオハル?

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 ただし、俺の席からはついたてなどが邪魔して見ることができない。  それをわざわざ立ち上がって見るのもどうかと思い、俺はただ、苦笑混じりに「そんな面白そうなもんが見えんの?」とだけ応えた。 「王子様みたいなキラキラした男の子と、小学生くらいの女の子が二人で座ってて……」 「小学生?」 「あ、中学生かもしんないけど」 「は?」 「まぁ、とにかく、そんな可愛らしい二人がさ。多分、あれ……」 「何だよ」 「告白してる」 「……あ、どうも」  へぇ、と若干興味を引かれたものの、そこに運ばれてきたコーヒーの方に自然と意識が移った。 「つーか、小学生も中学生もいまは学校の時間だろ」  ブラックのままのコーヒーをひと口飲んで、俺は「あてになんねぇな」と溜息混じりに小さく笑う。  するとそれを聞いた清も、「あ、そっか」ととたんに興味をなくしたみたいに煙草を取り出し、 「やー。なんか他人事ながらちょっとどきどきしちゃった。上手くいくといいよね~」  そのくせ淡く染めた頬に触れながら、次にはそぐわないほど手慣れた所作で咥え煙草に火を点けていた。
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