07.将を射んと欲すれば

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【Side:春川萌々】  えっちゃんから久遠寺(くおんじ)くんのことが気になっているかも?的な話をされて以来、私はどうしても2人のことを意識してしまってて。  私自身そんなに久遠寺くんと親しいわけじゃないけれど、やはり同じ高校に通っていたよしみというのはゼロではないわけで……。  今朝みたいに向こうから話しかけてくれたりして驚かされることも、思い出してみたら1度や2度じゃなかったの。  私が思っている以上に久遠寺くんは私のこと友人認定してくれているのかも?  そんな風に自惚れてみてもいいかな?と思いたいのは、やはり大好きなえっちゃんの役に立ちたいから。  私にできること、ないかな。  えっちゃんは久遠寺くんとの間に橋渡しを頼めたらって言っていた。  私にそんな大役、務まるかな。  でも……やらないで諦めるのは私の性分じゃない。  そんなことを思っていたら、我知らずやたらチラチラと久遠寺くんを見てしまっていたみたい。  何度か久遠寺くんと目が合っちゃって、慌てて逸らしたり、誤魔化すように愛想笑いを浮かべて会釈してから居た堪れなさに視線を背けたり。
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