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「あー、そういうことか。うん、分かった! ちっちゃい仲間として一肌脱ぐよ」
ああ、このキラキラした目。
絶対勘違いされてる……。
「えっ……」
ちゃんのことなんだけど、って続けようとしたら、久遠寺くんがこっちに向かってくるのが見えて、慌てて口を閉ざす。
「2人ともこんなところで何してるの?」
真っ直ぐこちらに向かってきた久遠寺くんからそう声をかけられて、神木くんにそれ以上言えなくなってしまった。
「くっ、……」
久遠寺くん。
どうしたらいいのか分からなくなって、久遠寺くんの名前さえも最後まで呼べなくて、ドギマギしてしまう。
それがまた、神木くんを勘違いさせてしまいそうな行動に思えて。
あーん、何やってるの、私っ!
「えっと……次も一緒だったよね?」
にこっと微笑まれて、久遠寺くんに優しく教室へ促された私は、「あ、うん」と小さくうなずくしか出来なくて。
神木くん、お願い。あとでちゃんと話の続きを聞いて?
思いながら久遠寺くんに見えないようにふと斜め後方の神木くんに視線を転じたら、神木くんってば「頑張れ!」って言うみたいにばちっとウィンクしてくるの。
あーん、絶対これ、私が久遠寺くんに気があるって勘違いしてるっ!
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