09.どうしたらいいの?

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 気がついたら私、思わず立ち上がってテーブルに手をつくように身を乗り出していて。 「大丈夫だよ」  そう言いながらヨシヨシって……まるで弟にするみたいに久遠寺(くおんじ)くんの頭に軽くポンポンと触れてしまってたの。  そうしてハッとした。  こ、このふんわり柔らかな髪の毛の感触! (おとうと)のものとは違う。  わ、私なにやってんの!  って。  長いこと(さく)の〝お姉ちゃん〟と〝お母さん〟を兼任してきたこの身体は、不安そうに見える〝男の子〟を見ると、つい条件反射で動いてしまうみたい。  立っている時ならば、私より遥かに背が高い同級生相手にこんなバカなこと、しなかった――。  でも、今回は座っていた上に、……く、久遠寺くんがうつむいたりするからっ。  普段は見えないはずの彼のつむじが見えてしまって。  それで半ば無意識にうっかり――。
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