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お父さんは茫然自失だし、でも……お母さんがいなくなってしまった時みたいに落ち込まなかったのは、多分それが“死別”ではなかったからなんだろうな。
お父さんってある意味バカが付くほどのお人好しだから……。捨てられた身のくせに、彼女が幸せならそれでいいんだ、とか言い出す始末。
だからって、離乳食が始まったばかりの息子をうまく扱えるほどの能力がないのもまたうちのお父さんなわけで。
つくづくダメな父親で溜め息が出たけれど、その反面、私、また居場所が出来たって嬉しくも感じていたの。
第2次性徴期に差し掛かった頃の多感な時期。
周りがお洒落や恋愛に時間を割いている時、私は弟の離乳食やオムツ交換、果ては料理洗濯といった家事全般と学生の本分である勉強に追われて過ごしたの。
身体が小さかったこともあって、胸の発育や初潮などはかなり遅めで……中学生になってみんなにそういう兆しが出ているって知って焦ったのを覚えている。
まぁ、胸の方は今でも……まだ成長途中なんじゃない?って期待しちゃってるけど……。
ないわけではないけれど……両手にすっぽりおさまってしまう私の胸の大きさって、本当微妙なんだもの!
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