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私は、どこまでもズルイ。
真摯に向き合おうとしてくれている久遠寺くんにのらりくらりとした返答をして。
私を信頼してくれている友人にも、不誠実なことをしているのだから。
私の心の中には幼い頃から隆ちゃんしかいないのに、久遠寺くんの勘違いを「違います！」と否定することも出来ずにいる。
それが、えっちゃんと久遠寺くんの仲を邪魔することになると分かっているくせに、久遠寺くんに「さっきのはあなたの勘違いだよ」と言って、彼が傷付く顔も見たくないと思ってしまう。
どれだけ傲慢なんだろう。
隆ちゃんならこんなとき、相手が傷付くって分かっていてもきっと「それ、勘違いだから」とか一蹴できてしまえるんだろうな。
私は隆ちゃんの、歯に絹を着せないそういうところが好き。
自分にないものだからすごく眩しく見える。
隆ちゃんのそんな一面に憧れているくせに。
こんなに隆ちゃんみたいになりたいって恋焦がれているくせに……どうして私はそれが出来ないんだろう。
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