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でも、考えてみればまだお砂糖を入れてなかったミルクティーは、そのトロリとした色とは裏腹、甘いのが好きな私には苦く感じられてしまった。
それで無意識にあまり飲まずに口を離したら、すぐさま「ミルクティーは甘めの方が飲みやすいよね」と言われて。
久遠寺くんはどうしてこんなに気遣いができるんだろう。
王子と持て囃されて、女の子達からキャーキャー言われる理由が分かった気がした。
「……うん」
そうじゃないと、飲めない。
心が沈んでいる時に、慣れない味は心を余計に削る気がしてなおさら。
久遠寺くんに手渡されて、小さな白い陶器製のシュガーポットを受け取ると、匙に軽く1杯分のお砂糖を紅茶に落としてから、ティースプーンでかき混ぜる。
いつもはもう少し山盛り入れるのだけど、今日はケーキセットも一緒だから少し甘さ控えめにしておいた。
ケーキが食べられる精神状態かどうかはともかくとして、でもせっかく頼んだものを食べないと言うのはもったいなくてあり得ない、とも思ってしまって。
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