11.ズルくて意気地なしの私

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*** 「久遠寺(くおんじ)くん、えっちゃんとお友達になりたいって……」  私の言葉に、えっちゃんが一瞬言葉を失って、それから身を乗り出すようにしてクリームソーダの器ごと私の手をギュッと包み込んだ。 「本当!? ありがとう! 萌々(もも)ちゃんっ!」  そう言って、嬉しそうににっこり笑うえっちゃんをまともに見つめられなくて、私は思わずうつむいた。
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