12.月に一度の……?

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「じゃあ……テストの疲れが出てるのかな」  僕はグラスを天板に戻すと、改めて林田さんに微笑みかける。  目が合うと、彼女は淡く目端を染めて、「う、うん。そうかも」と誤魔化すように笑った。  ……あぁ。これはあれかな。  さっきから密かに思っていたけれど……今日、もしかして彼女は――。 「ねぇ、柚弦(ゆづる)くん……。良かったら、今度……一緒に映画とか行かない?」 「ん?」 「嫌じゃなかったらでいいんだけど……できれば、二人、きりで……」  そっちか……。  彼女の性格からして、もっとストレートに来るかと思っていたけど、意外と慎重なところもあるらしい。  僕は考えるようにカクテルグラスに口を付け、更にゆっくりとそれを数口飲んでから、静かに答えた。
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