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「そう、なんだ……。ごめんね。急に変なこと言って。――実は私、何となくそんな気はしてたんだ」
柚弦くんはみんなに対して平等に優しいだけ。
私に対しても、そう。
別に4人で一緒にいられる時間が増えたからって、特別視されているわけじゃないって。
ただ、伝えなければ自分の中で踏ん切りが付かなかったから。
だからどうしても「好き」だと言ってみたくなったの。
「私、柚弦くんが好き。でも……柚弦くんに好きな子がいるなら……もうこのことであなたを困らせたりはしないから。だから……今まで通り4人で遊んだりするのは……続けてもらえると嬉しい……な?」
言って、恐る恐る柚弦くんのほうをちらっと窺い見たら、私をじっと見つめていて。
「林田さんは、それでいいの?」
って、真剣な眼差しで射すくめられた。
それでいいわけ、ない。
でも……何だろう。
言えてスッキリしたって思ってる自分もいて。
「つらくないって言ったら……嘘になる。でも……何だかちゃんと気持ちを伝えられたから……少しずつ整理していける気がするの」
言ったら、柚弦くんがまた少し考えるように黙り込んで。
「僕の好きな人が……4人の中にいるとしても?」
私は彼の言葉に、今度こそ息を飲んだ。
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