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キッ!と朔を睨み付けてベーと舌を出して見せてから、私は玄関を出た。
駅に向かって歩いていたら、ピロン!と携帯のメッセージアプリに着信があって。
立ち止まって鞄からスマホを取り出す。
時間的に、4人でグループを作ったメッセージボックスに何らかの新着かな?って思ったんだけど――。
あれ? 違う。
「え!? うそっ。隆ちゃん!?」
考えてみたら、隆ちゃんとはあの気まずいスーパー帰りの遭遇以来連絡をとっていなかったの。
それで、何だか気が動転して道端にいるのも忘れてつい大声を出してまった。
自分でその声の大きさに驚いて、慌てて口を押さえてから、ドキドキに震える手で今届いたばかりの隆ちゃんからのメッセージを開く――。
ゆっくりと内容を確認して……。
少し逡巡して。
グループメッセージを開くと、19時くらいになるという旨の連絡を入れた。
それから私、すぐにスマホをマナーモードにして鞄に仕舞ったから……まさかその後で楓馬くんからも遅れる旨のメッセージが届いていたなんてその時には思いもしなくて――。
期せずして、えっちゃんと柚弦くんをふたりきりにしてしまったんだって気付いたのは、しばらく後の話。
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