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ホーク、ギガンテそしてサンライズが中腹の合流地点にたどり着いた時、しかし04班には深刻な事態が持ちあがっていた。
「メントスが撃たれた」
ベイカーは彼らの顔を見るなり、口だけでそう言うと姿勢を低くするよう手で指示した。
「01の偵察と遭遇した、ついさっき」
「メントスはどこだ?」
「まだ生きてるよ」
茂みの中から、弱々しい声がする。
みると、メントスが頭にタオルを当てて仰向けに寝ていた。ヤルタがかがみこんで、水を飲ませようとしていた。
「だから自分で飲むからいいって言ってるだろう」
その手をメントスは邪険に払う。
「まだ近くにいるのか、ヤツら」
ホークが身を低くしたまま、小声で訊ねた。
「いや、偵察は一人だけだった。殺ったけどね」
ベイカーはあっさりとそう答える。
「誰ですか?」
サンライズがすかさず聞いた。つい口調がきつくなる。
「キミのお友だちじゃないよ、ユニコーンってヤツ」
ベイカーの目は笑っているのか?
ユニコーンはサンライズの次に若い、3年目のリーダーだった。
メントスのタグは黄色、リアルな戦闘の基準で言えば、辛うじて自分でも動ける程度だ。
しかし、かなりのダメージを受けているようだった。
「この場所は01にマークされた」
ベイカーが山頂の方を見やってから言った。
「少し移動する、メントスはここに残す」
撃たれたヤツには、特に異存はないようだった。
「誰か一人つく必要があるな、」
一人一人を見渡して
「ヤルタ」
そう指名するとメントスが身を起こしかけた。
「ソイツのせいで撃たれたんだ、やめてくれ」
嫌悪感をあらわにしている。
ヤルタもむっとしたように彼をみた。
「オレのせいにするな、油断していたのはオマエだ」
「何を?」
まあ待て、とベイカーが制した。
「チームだろう? もう少し歩み寄れよ」
「だったらサンライズについていてもらえば?」
ギガンテがそう口をはさんだ。
彼にとってはメガネで小粒だったらとりあえずどちらを置いて行ってもあまり変わりがないと思っているようだった。
「別にいい、オレは残っても」
サンライズもそう答えた。動くのが面倒になってきた。
ところが意外にも「それはダメだ」ベイカーが素早く反応した。
わずかに、何かが目の中にみえた。
サンライズがはっとして見ると、彼の目の色はすでに元に戻っていた。
「リーダーはオレだ。従ってもらう」
ギガンテはその言い方が少し気に障ったたようだったが、ここはとりあえず黙って一歩下がった。
「次のポイントはP‐0825、そこで今夜はキャンプ。いいな」
ベイカーの言葉に合わせ、ホークとギガンテ、そしてサンライズはまた荷物を背負った。
「ヤルタ」
見上げたヤルタに、ベイカーが告げる。
「ルートは判るな、メントスのタグがグリーンになったら一緒に移動。2時間は動かずに。途中でオレンジ、赤に変わったらすぐに連絡を寄こしてから一人でオレたちの後を追え」
「了解」
「メントス、分かってるな。黄色の間は最低2時間移動禁止だ」
「了解」
メントスは、もうどうでもいいと言った口調で、それでも挙手をつけてそう返す。
04班本隊は、また歩き出した。
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