15人が本棚に入れています
本棚に追加
「怖い!外には出たくない!」
固く閉じたドアの向こう側へ和樹は叫んだ。
鉄製のシングルベッドの上、白い布団を身体に巻きつけ小さな身体はガタガタと震えている。
「何言ってんの!大丈夫だから。早く出て来なさい!」
母親は硬い材質のドアを激しく叩き続ける。
凄い音だ。
母親位の年齢の拳ならもう腫れていてもおかしくないな。
和樹は一瞬母親の身体を想った。だが直ぐに思い直し再び叫ぶ。
「ダメだ!絶対ダメだ!外に出たら死ぬ!間違いない。僕を狙う怪物がいるんだ!騙されないぞ!」
「何言ってんの!!そんな言い訳小学生でも通用しないわよ!もう、一体何日出てこないつもりなの!!部活のみんなもそろそろ変だと思うよ!」
最初のコメントを投稿しよう!