枯れ尾花

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「怖い!外には出たくない!」 固く閉じたドアの向こう側へ和樹は叫んだ。 鉄製のシングルベッドの上、白い布団を身体に巻きつけ小さな身体はガタガタと震えている。 「何言ってんの!大丈夫だから。早く出て来なさい!」 母親は硬い材質のドアを激しく叩き続ける。 凄い音だ。 母親位の年齢の拳ならもう腫れていてもおかしくないな。 和樹は一瞬母親の身体を想った。だが直ぐに思い直し再び叫ぶ。 「ダメだ!絶対ダメだ!外に出たら死ぬ!間違いない。僕を狙う怪物がいるんだ!騙されないぞ!」 「何言ってんの!!そんな言い訳小学生でも通用しないわよ!もう、一体何日出てこないつもりなの!!部活のみんなもそろそろ変だと思うよ!」
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