かぎや、はじめました

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かぎや、はじめました

 いつからそこにいたのでしょう。    一人の少年が看板(かんばん)を出し  (ひざ)(かか)えて道端(みちばた)に座っていました。    【かぎや、はじめました】  看板(かんばん)にそう書かれてはいても、  少年の手元には(かぎ)を開けるような道具箱(どうぐばこ)はありません。  ピエロのようなとしたツナギの空色の服と、    晴れだというのに、虹色(にじいろ)長靴(ながぐつ)をはいて。  (こし)に巻いたベルトには銀色(ぎんいろ)(かぎ)が一つ、ぶら下がってるだけ。
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