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「でも!」
「ん?
…でも?」
「バレてたけどー。
全部!」
「…えっ?!」
「ひかりが考えてくれたデートプランだってさっ」
「・・・え゛え゛っ?!」
拓海は驚くあたしを無視し、入ってきたリビングの窓を開け、
「ひかり…。
明日、ヒマだろ?」
あたしに背中を向けて、決め付けた言葉を呟くように言った。
「う、うるさいわね!」
言葉の意味を理解できないで怒鳴るあたしに、拓海は優しく続ける。
「…じゃ、明日13時。
駅前で集合なっ!」
「はい…?」
「だーかーらっ、明日13時。
駅前で、待ってるからっ!
来るまでずっと待ってるからッ!」
…バタン。
「・・・。」
窓が音を立てて閉まると、あたしは自分の耳を疑った―。
そして、冷静に脳を働かせてみる。
明日。
13時。
駅前。
待ってる。
拓海があたしを待ってる…?
ね。
ちょっと期待してしまうよ?
ずっと秘密にしようと、隠してしまおうと思ってたのに…。
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