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サラサラ、サラサラ。
みみもとできこえる、川のせせらぎ。
シャンプー太郎は、目をひらいた。
ながれのゆるやかな、川のまんなかあたりに、
ポンプをうえにして、ういていた。
まわりには、みたこともない、たくさんのたてものがみえる。
シャンプー太郎は、こころぼそくなった。
「この川、どこまでいくんだろう」
こえをだすと、きゅうにかわもが、もちあがった。
「このままいくと、海にでるわよ」
かおをだしたのは、イヌのようなはなに、いっぱいのヒゲ、
ガラスだまのような目をした、まるいあたまの、アザラシだった。
「どうして、しっているの」
「だってわたし、海からまよいこんでしまったんだもの」
アザラシのおねえさんは、それからずっと、ここにすんでいるという。
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