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シャンプー太郎は、こまってしまった。
「どうしよう。ながされて海にまでいったら、やくそくがまもれない」
アザラシのおねえさんは、ヒゲをふるわせた。
「なにがあったの」
シャンプー太郎は、おじさんとのやくそくをはなした。
トラックからとびだして、川におちたこともはなした。
「ぼくのおなかに、たっぷりシャンプーがはいってるの」
アザラシのおねえさんは、ガラスだまのような目をかがやかせた。
「まあ。だったらわたしも、サラッサラの、ツヤッツヤになれるのかしら」
「だめだよ。かってくれた人のかみのけを、サラサラのツヤツヤにするんだ」
シャンプー太郎の目に、なみだがたまりはじめた。
アザラシのおねえさんはあわてて、こういった。
「ざんねん。じゃあ、わたしが川ぎしまでおくっていくわ」
「ほんとう。やった、ありがとう」
シャンプー太郎はよろこびすぎて、あやうくシャンプーをもらしそうになった。
「そのあとのことは、ともだちのワンさんにたのみましょう」
アザラシのくろい目は、おひさまのひかりをうけて、キラキラひかっていた。
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