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1.ダメな事
「響くーん」
私がそう旦那に呼びかけるとバタバタと足を鳴らしてエプロン姿でこっちに来た。エプロンは私がプレゼントした、花柄の物。それを響くんは気に入っていつも着けてくれている。
「行ってくるね」
ニコッと笑うとそれに応えるように響くんもニコッと笑った。
この笑顔には裏があるのに。
響くんは私の頬に軽くキスをし、私も響くんの頬にキスした。
「口は帰ってきてから、ね」
そうウインクすると、響くんは嬉しそうに笑って私を見送った。
扉を開けるとまず始めに街中の風景が目に入る。灯りがポツポツとついている。
家から出てまず始めにする事。
スマホのチェック。
「やっぱり」
はぁっと長いため息をつくとスマホの内容を細かくチェックした。
悠からLINEが来ていたのだ。
悠は私の浮気相手。
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