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一番刺激的だったのは、自慰行為を見てしまった時だった。
いつも通り家での朱雀くんをカメラで見ていたら、その時は突然やってきた。
彼自身、性欲は弱い方だったのか、今までそんな素振り見たことがなかったのでそれはもう衝撃だった。
白くて細くてちいさい手で自分のそれを事務的に慰めている彼が、時々色っぽい顔で息を漏らすのがもうたまらなくて、可愛くて、愛おしくて、官能的で、僕はどうしようもならなくなってしまった。
可愛い、可愛い、大好き、可愛い、朱雀くん、僕の朱雀くん、可愛い、愛おしい、大好き。
触りたい、抱きしめたい、キスもしたい、それ以上も、全部。
泣かせるほど酷くしたいのに、とびきり優しくして惚けさせたい。乱暴に痛くしてあげたいし、丁寧に気持ち良くもしてあげたい。
彼が自慰行為をするのがカメラに写る度に、必ずと言っていいほど僕も自慰行為をせざるをえなかった。
彼の中に入れたい。彼の中に出したい。
上から下まで全部触りたい。
髪の手触りから喘ぎ方まで、全部妄想した。
その度に彼のことを抱きしめたくなって、彼のことが欲しくなって、僕は、もう取り返しのつかない所まで来ていた。
違う。取り返しのつかない所まで来ていたことに、やっと気がついた。
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