プロローグ

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「ばかばかしい…… 」 吐き捨てるように言ったセリフは、自分を言い聞かせるための気休めだったが語尾に力はなくどうしても兄弟の死を言い当てられたことが心に引っかかった。 俺は目覚めの悪い起き方をしてしまい気分を害したため再び床に就いた。そして気づいたら外はすっかりと暗くなりこの日は夜でもじめっと蒸し暑かった。 「なんか今日も夜まで寝ちまった」 ザーザーゴロゴロ 雷が不気味に鳴り響き、雨が大きな音を立てて降るのが解ると余計外に出たくなくなってしまった。 暫くして雨が止むと俺がふと外に視線を向けると、ぼんやりと光る何かが宙を舞ってユラユラと飛んでいく様を見ると 「なんだ一体? 」 俺は釣られるようにか弱く明滅する光を追いかけていった。だがこの行動が俺の運命を変えることとなった。 そして今、俺の目の前で一人の女性が助けを求めて叫んでいた。
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