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第1話
「放してください」
「おい、良いだろう? 俺と付き合ってくれよ」
「だ、誰か助けて! 」
男は、泣き叫ぶ女性に後ろから羽交い絞めにして襲いかかっていた。完全にレイプだろう? だが近くには俺しかいないし、彼女を妹と重ね合わせてしまっていたため、見過ごすわけにはいかなかった。
俺の小さな男のプライドに火をつけてしまい、奴が油断をしている後方に回り、無我夢中で奴の足を取って投げ飛ばしてやった。
ドーーーン
「い、イテテテテ」
「君、早く逃げるよ」
俺は彼女の腕をつかんで足早に、その場を立ち去った。後方からは男の怒号が聞こえたが振り向かず全速力で逃走。
幸い、偶然見つけた洞穴に逃げ込んだが少しの間は何度も入り口から外を伺いながら高鳴る心臓の鼓動を抑えようと何度も深呼吸をした。
まあ、ケンカが苦手な俺としては動揺を抑えるのに必死だった。だが肝心の光を見失ってしまったことはガッカリだった。
「あ、ありがとうございます」
つぶらな瞳で俺の事を見つめた。近くで見る彼女の顔を見たせいで再び心臓の鼓動が早くなってしまい、体を小刻みに震わせた。
「どどどど、どういたしまして」
落ち着かせるため後ろを向いて何度も深呼吸を行った。すると彼女は顔を近づけて訪ねてきた
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