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「そういえばどちらに向かっていたんですか? 」
「実は、光の玉が浮かんで飛んでいくのを見つけて気になって追いかけていったんですよ」
「え? 本当ですか? 私も気になって追いかけていたら先ほどの方に襲われまして、本当に助かりました」
彼女は何度も俺にお礼を言ってくるので不器用な俺は何度も言葉をどもらせながらなだめた。すると彼女はニコッとつぶらな瞳を輝かせながら笑った
「優しいんですね」
「いえいえ、信じてもらえないと思いますが先日、神様という人に余命宣告を受けて、そのことで少しでも他人の役に立てればなと思いまして」
自分をいいように見せるようにとっさの判断で俺は先日の夢を口実に言葉を詰まらせながら何とか好青年をアピールしていると
「え? 偶然ですね。私もある老人に夢の中で同じようなことを言われました」
彼女は驚きの表情で神様とのやり取りを聞くと、どうやら俺と同じ内容だった。俺は何故だか、同じ境遇を持った人と出会うことができたことに感謝した。
「実は私も、目の前で姉を事故で無くしてしまい、引きこもり生活を送っていた時に神様が現れたんです。初めは半信半疑でしたがどうしても気になってしまって、夜空を見上げているときれいな光を見つけたんです」
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