好奇心から始まるスピリチュアル

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好奇心から始まるスピリチュアル

 最初は好奇心だったんだ。 「よく当たる占い師が、都内にいる」って聞いて。  私はいわゆる就職氷河期に学校を出た。  新卒の仕事が決まらず、中途採用してもらったところに入ったものの、色々あって退職。  派遣もやったが、派遣切りも経験する。  無職になった24歳の時、たまたま知り得た「よく当たる占い師」の情報を聞いた。  年商1億の企業家が、 「この占い師のアドバイス通りに動いたので、 今の自分があります」  なんて話していて、興味を持った。  それで都内にあるその占い師の所へ行ったら、過去をことごとく言い当てられた。 「なんで分かるんですか!?」  と連呼した。  私が聞いたのは、仕事のことと結婚のこと。 「あなたは移動販売…例えば新幹線の中の販売や移動販売車での販売が向いてるわね。  看護師や保育士も向いてるわ」  だけど地元は田舎で新幹線は走ってない。  新幹線のある駅まで車で2時間だ。  移動販売はたまに見かけるけど、やる自信がない。  看護師や保育士の資格もない。  それを伝えたら、 「机に向かう仕事…一般事務や経理事務も良いわね」  と言われた。  それを間に受けて、事務なら少しは経験もあるから、と安心した。  結婚については、 「あなた、30までに結婚するわよ!  お相手は6つから12歳くらい上の人で…  見た目は…彫りが濃くてがっしりしているか、中性的で細身か、もしくは猿顔…というと変だけど、そんな感じの人ね。  子どもは2人持つわ。  やんちゃな子どもたちよ」 「出会いは健康に関する場所…例えばスポーツジムや健康食品を扱っているお店ね。  もしくは海や地下のお店…ライブハウスやバーなんかよ」  なんで言われ、それを間に受けた。  けれどもスポーツジムにも健康食品売り場にも、ライブハウスにもバーにも海にも、恋愛に繋がる出会いは無かった。
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