悪夢の夏

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 家の前に到着した頼恵は、鞄から家の鍵を取り出そうとして、ふと門柱の傍に見慣れぬものが落ちているのを見つけた。  それは白い長方形の箱だった。  サイズは長い方の辺が二十センチぐらいで、いくつかボタンらしきものが見える。 「……これだわ」  拾い上げてみると、それは思いのほか軽かった。  ボタン以外に、液晶画面のようなものも見られた。 「なんか……リモコンみたいね」  周囲を見回しても、先程の青年の姿は無かった。 「後で警察にでも届けてあげようかしら」  頼恵はその箱を持ったまま、家に入った。
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