秘密の暴露

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この調子で中学卒業まで行くと思っていたが現実はそう甘くなかった。事件が起きたのは冬休みに入る2週間前の事だ。その日は友人Aはクラブユースの方があり塾には来れないと聞いていた。五十嵐と2人でテスト前ということもあり授業が終わって居残っていた。 「蓮、志望校どうする事にしたんだ?」 「俺はそんなに内申点が高い訳ではないからそこまで偏差値の高い高校に進学したいとは思ってないな」 「そっか。俺もそんな感じ。できれば蓮と同じ高校に行ってみたいと思ってる。あんまり高いとこは無理だけど……」 ペンを動かしていた手を止め五十嵐の方を見た。あまりにも意外な事で驚いていた。五十嵐は俺とは別の高校に行くとばかり思っていた。実際10月ぐらいまでは同級生とは別の学校に行きたいと口にしていた。五十嵐にもなんらかの心境の変化があったのだろう。この時の俺は五十嵐の事を知っているようで知らなかった。何故その選択をしたのか、何故聞かなかったのか不思議でしょうがなかった。 「今日のテストの復習終わり!」 「俺ももうすぐ終わるから終わったらゲームしてから帰ろうぜ」 「おけ!」 この時の俺はこの会話が誰かに見られていた事を知らない。
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