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友人Aはゆっくりと立ち上がり俺の胸ぐらを掴んだ。俺は何が何だかわからずにただやられるがままでいた。友人Aの目は血走っていて今にも俺に殴りかかりそうだった。
「……今までよくも騙してくれたな」
俺は全てを理解した。絶望が一瞬で俺の心を襲った。完全に詰んでしまった。俺のオタクが1番バレてたくない奴にバレてしまった。
「なんか言ったらどうだ!」
掴んだ手は離されて俺はゲホゲホと咳き込んだ。言い訳をしてもいいとは思うが友人Aにそれが通じるとは思えない。
「悪い」
「なんでだよ!」
公園にバンっと重い音が響いた。腹に痛みが走る。
「言い訳しろよ、違うって否定しろよ、なんでやっと仲良くなれたのに……」
友人Aは唇をギュッと噛み締めてそこから血が出ていた。
「お前とはもう絶交だ。こっちからは話しかけないし、お前も話しかけるな」
俺は何も言えずに友人Aは自転車に乗っていってしまった。
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