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本棚の隙間から出てきたそれを何気なくひらく。懐かしい。高校時代のフォトアルバム。表情やポーズの若さというか痛々しさが、笑える。ページを捲っていき、ある一枚の写真に辿り着いた瞬間、甘くて苦い記憶がなだれ込んでくる。
浴衣姿のわたしと千紘。頬が触れ合うくらいに寄り添って撮ったこの写真が、わたしたちの最後の思い出になった。高校二年生の夏。花火大会。もうあれから十数年。傷はまだずきんずきんと痛んで、呼吸が浅くなる。
あんなことしなければ、わたしたちは今も親友でいられた?
でも、わたしはあの想いを隠し通すことができた?
結局、どう足掻いてもこうなる運命だったとしか思えない。一度灯ってしまった恋心は、簡単には消えてくれなかったから。
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