5年ぶりの君は。

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「あー、まぁ、色々あってな」  苦笑して、指はまた頬に触れて、撫でる。    熱い。  頬が熱い。  体が熱い。  ――息が、苦しい 「なんで、ない、の」  聞いてはいけない  聞いたら止まれない  脳が警報を鳴らすのに、私の好奇心は止まらない。  唇は、どうしようもなく動いてしまう。  知りたいと、心が急く 「それ答えたらさ」  それまであっけらかんと明るかった彼の声が。  背中を震わすほどの低さへと変わった。 「お前を拾っていいか?」
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